テキ屋と僕
「売り出し方をつくる」
もはや日記ではないレベルの「こうすけ日記」
心理ブログよりもファンが多いとか・・
心の解説者の平山こうすけです。
凄く人気の”僕のシリーズ”日記、
今回は「大きさと僕」についてお話をします。
秋までまだ遠い季節なのに、夕焼けは早くなった。
手持ち花火をするときには、まだ暗くないからと
親から言われ、僕は用意された青いバケツが
つまんなそうにしていることを知っていた。
隣の焼き鳥屋さんからは野球中継しか流れてなく、
鼻に届く焼き鳥の匂いは手羽先(イカダ)だと
僕とアンディは知っていた。
なぜならば、焼き鳥屋のおじさんは、
こんな日の次の日にはゴミになった手羽先の骨を
アンディに、いつもバクバク食べさていたからだ。
明日はこんなにも時間を待つこともないお祭りが
やってくる。
今年こそは”かたぬき”を成功させると
僕は勝負を待ち望んでいた。
僕の家ではお祭りの日に、特別に500円がもらえた。
お金の計算をできてない僕には大金だった。
揚げ物屋さんのおじさんに毎日もらう100円よりも多い金額。
そして”かたぬき”という子供のギャンブルを成功すれば、
100円が300円、500円になるチャンスがやってくる!
決まったクッキーを針で形どるゲームで、綺麗に型をくり抜くと
クッキーの難易度でもらえる金額が変わるテキ屋システム。
1枚100円の型抜きが500円になるなんて、夢でしかない!
型抜きのテキ屋さんは決まっていつも若い
お兄さんが店をやっていた。ヤンキーには見えないけど
「一回やってみない?」といつも優しかった。
お兄さんは優しけれど、仕事には厳しい。
”かたぬき”は綺麗にくり抜けていないとお金がもらえない。
クッキーに気持ちを込めて針を力強くいれると、一気に
クッキーにヒビが入ってダメになる。
酷ければ真っ二つになってしまうからだ。
1年前にかたぬきを成功した中学生を僕はみていた。
彼は型線をなん度も針でなぞり、溝を深めていた。
そして大まかに削れたあとには、細かく慎重に
針を刺していた。その技を僕は知っている。
去年僕は、500円全てを台無しにして、
家に戻ってしょぼくれていれば、追加の
お小遣いをもらえる作戦は失敗に終わった後悔
を僕は忘れていない。
だから、今年の僕は違うんだ!
凛と冷静を保った僕がそこにいた。
いざ!勝負!
ビールケースの上に置かれた木材のテーブルは
去年よりも安定している。
このテーブルの安定感なら、必ずくり抜ける!
僕の出されたクッキーはきのこ、これは相場で
300円。
難易度は中だけども猫が出るよりもマシと思った。
猫は、4足と尻尾が細いから、折れる確率は100%
そのかわり、成功報酬は夢の1000円。
僕は目先の欲に騙されない。
だからこそ”きのこ”でいい。
盆踊りの曲が何曲も変わる。
その時、とうとうその瞬間を僕は目にした。
「お兄さん!できた!」
覗き込みながら回答を見るテキ屋のお兄さん。
「あーーーー、この部分少し残ってるね〜」
「あと少しだから、そこ落としてよ!」
僕は確定を知った!
100円が300円、100円が300円!
・・・・・・・折れた。
きのこの石突と茎の間は細い。
折れちゃった。
隣では100円でラムネを買う子供がいる。
僕も飲めたはずなのに・・・
この壊れた100円で・・・
一度成功したはずなのに、壊れた結果を
受け止められない僕は家に帰ってお父さんに
このことを言った。
すると、お父さんはいう
「テキ屋なんて半分ヤ◯ザだから仕方ないよ」
よく理解をできない僕は、
テキ屋のお兄さんのところに戻って尋ねた。
「お兄さんてヤ◯ザなの?」
お兄さんは頭をかきむしりなら僕に言った。
「ま〜そこまでじゃないけど、そんなとこかな」
笑顔はいつもの優しいお兄さんだった。
お兄さんの立場と、かたぬきのくやしさには、
関係のないことを今の僕は知っている。
そして、祭りで遭遇したヒサシが、
かたぬきの壊れた破片をもらい食いしていたことも
僕はみて知っていた。
周りには、ツヅレサセやコオロギの鳴き声
が響いていた。
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心の解説者®︎・エッセイスト 平山 こうすけ
心の解説者®︎・エッセイ・随筆・ポジティブ心理・サイコパス・ユーモア哲学・売り出し方・コーチング・平山 こうすけ コウスケさん