マロニーと僕
「売り出し方をつくる」
梅雨空の夕方に
心の解説者の平山コウスケです。
今回は「マロニーと僕」
についてお話をします。
梅雨の空模様が続き
天気予報では「まるで梅雨みたいに、
まるで梅雨みたいに」と何度も耳にする。
まるで梅雨みたいに明るい夕方に
僕は、近所の飲み屋さんの暖簾をくぐった。
「いらっしゃいませ〜」と少しハスキー
なお姉さんの声が響く。
「今日も暇だからお好きなとこへどうぞ!」
僕は入り口近くにあるいつものテーブルの
角に座った。この席は普段ブログを書くときに
座っている落ち着く席だ。
このお店もカウンター席は常連さんが座る。
そんな常連さんの席に僕が座るのは
気が進まないのだ。
ボトルのお酒を飲みながらいると、
2名の男のお客さんがカウンターに座る。
「マスター椎茸とセセリお願いね」
慣れた雰囲気で注文をしながら、
やたらとおしぼりで手を拭いている。
僕は、きっと神経質な方なんだなぁ
と内心思っていた。
お店全体に無言の空気が流れている。
少しの時間さえ長く感じるかのように
外の雨音が全員の耳に届いていた。
※写真はイメージです
静かな僕たちのところに
お姉さんが気遣って話をしに厨房から
出てきて話を始めた。
「この先にあるしゃぶしゃぶ屋さん
やめちゃったのかな?」
カウンターのお客さんが自慢げに話す。
「あれはチェーン店だからコロナ閉店ですよ」
このままでは話が終わる・・
すかさず、お姉さんは言葉を続けた
「私はマスターと一緒に行くのに
とっても好きなお店だったのよ!」
お姉さんが好きなのにも関わらず
軽い口で閉店を促して、気まずいカウンター客が
笑いのつもりで突っ込んだ。
「あんな店の薄い肉より、ここの焼き鳥の
方が美味しいからいいんですよ笑」
誰もが彼の笑いを、笑いなの?
と疑問の浮かぶ表情で彼を見つめている。
お姉さんはまじめな表情で言った。
「私、マロニーが好きなんで、マロニーを
頂くのよ」
「マスターは豆もやしが好きだから!
もう豆もやしばっかり!」
一瞬。店内により静けさが走った。
「肉食わんの?」
カウンター客が唖然と言う。
「マロニー5皿でお腹いっぱいになるから」
お姉さんが笑いながら言った。
僕は耐えきれなかった。
だし汁を吸い尽くすマロニーの姿と、
反対側にはマロニーにはならずに生き延びた
豆もやし達の華麗な姿を。
しかも5皿ってなんなんだ?
マロニー5皿、豆もやし5皿って、
あの店は食べ放題なのに、なんでそんなにも
コスパの良い注文してるんだよ・・
お姉さんが続けて話す。
「お店の人がまたきてくださいねって!
笑顔で見送ってくれるのよ笑」
そりゃそうだろう。
そんなにコスパがかからず、ヘルシーな
お客様は少ないのだから。
もう一人のカウンター客がお姉さんに
言った。
「食べ放題のステーキ屋さんに行った方が
きっとお得ですよ!」
「私行きますよ!食べ放題好きだから!
あのステーキ屋さんではワカメを食べるのよ!」
話の本論が整い過ぎている。
きっとお姉さんは、食べ放題の響きだけ好きなんだ。
すると僕のテーブルにマスターが
焼き場を離れてビール片手に
座り、語り出した。
「私はね・・豆もやしじゃなくて、
ピーナッツもやしを食べるんだよ!!」
店内は笑いに包まれた。
誰もがコスパを気にしなく、
なにかわからないけど、マロニーと
もやしで話が重なり合った。
「きっと春雨スープの方がもっと得ね!」
なんてお手伝いさんまでもが言う始末だった。
すると、カウンターのお客さんが
まじめな口調で声を出した。
「マスター??ビールで休憩はいいんですけど・・
僕の焼き物・・忘れてません??」
マスターはハッとした顔で
「あれっ?あったっけ?
私はもやしの話で、いつ加わろうか
タイミングみていたんだよね笑」
マスターも仕事よりも
マロニーの話に耳がダンボだったんだ笑。
ブログをご覧頂きありがとうございます。
日々向上される皆様を心から応援しております。
心の解説者®︎・フリーライター 平山 紘介
心の解説者®︎・フリーライター・ポジティブ心理・サイコパス・講師・売り出し方・コーチング・平山 紘介 コウスケさん